《プレミア12》侍ジャパン 勝利の立役者 中村晃に見る、データで楽しむ野球観戦
11月も半ばとなり、だんだんと寒くなってきました。
一方で、日に日に熱気を増しているのが台湾で開催されている野球の国際大会「プレミア12」
連日、手に汗握る好ゲームが繰り広げられていますね
テレビ中継で表示される今シーズンの成績は
打率 .300
HR 1
打点 39
投高打低の中での3割を除くと
いかにも地味な成績
喜怒哀楽を見せず淡々とプレーし、野獣先輩説が出るほどの顔もまた地味
メディアからは多くの露出を浴びることのない中村晃選手。
テレビ中継や主な球場のスコアボードなど、表に出る成績の中では、それほど凄さを感じられない選手であるのは確か。
今回は、表には出ない彼の凄さを、BB/Kという指標を用いて迫りたいと思います。
1.BB/Kとは?
細かいデータまで野球を見る方でなければ、このBB/Kという言葉を初めて目にした。
という方も多いのではないでしょうか。
BB/Kとは、日本語で言い換えると四球/三振。
ひとつの四球に対して、どれくらいの割合で三振をするかという指標です。
この数値が低い=1つの四球までの間に、三振をたくさんしている
この数値が高い=三振が少なく、多くの四球を選んでいる
ということが言えるため、一般的にこの数値が高いほど
BB/Kという数値が四球/三振という前提に基づいて、中村晃選手の今シーズンのBB/Kを見てみたいと思います。
四球 66
三振 47
という結果ですから、彼のBB/Kは
四球66/三振47=1.404
つまり、1回の三振に対して、1.4個の四球を選んでいるということになります。
「三振より四球を多く取っている。」
野球経験者なら、この数字の凄さをなんとなくわかるかと思いますが、ここで他のバッターと比較してみたいと思います。
この表を見れば、彼の凄さが一目瞭然
BB/Kにおいてダントツで1位
2位の近藤選手が辛うじて1.00(これでも十分凄い数字なのですが…)という数字を残している以外、規定打席到達者で1を上回っている選手がいないことからも、このBB/Kの数値がいかに優れているかおわかりいただけるかと思います。
ちなみに、ここ数年のパリーグの平均値は0.41〜0.47
平均の3倍近いBB/Kを残しており
四球が多く、三振が少ない
相手にとっては実にいやらしいバッターであることが見て取れるかと思います。
3.スコアボードの数字だけで野球は語れない
この中村晃選手の数字から伝えたいこと。それは
見えない数字に、野球の奥深さがある
ということです。
球場のスコアボードには
打率
HR
打点
の3つの数字しか書いていないこともあり、これらの数字で選手の力量をつい測ってしまいがちです。
インターネットで、打率、HR、打点以外にも様々な数字が簡単に知ることができる時代。
選手ひとりひとりの細かなデータを見ながらの野球観戦。
今まで以上に、きっと野球というスポーツを楽しむことができるはずです。