秋の奈良の風物詩 鹿の角切り
3連休最終日。みなさんは、どこかへおでかけされましたか?
当初は3日間仕事のはずだったんですが、運良く今日は休みに
ということで奈良の秋の風物詩 鹿の角切りへ行ってきました(^^)
さて、この鹿の角切り。
奈良公園にいる鹿の角を切る伝統行事で、起源はなんと、江戸時代に遡ります。
途中、鹿の数が減ったりするなどの理由から開催されないこともあったそうですが、今日まで300年以上にわたり続いています。
そもそも、なんで鹿の角を切るの?と疑問に思った方も多いのではないでしょうか。
これには、ちゃんとした理由があり
①発情期の鹿の角に襲われると危険であるため
②鹿が暴れた時に、鹿自身が傷付くのを防ぐため
鹿の角を切るんだそうです。
ちなみに、角はオスにしか生えず、切っても人間でいう爪を切るようなもので、痛みは感じないのだとか。(ちょっと意外かもしれませんね)
さて、秋には発情期を迎え、結構凶暴なオスの鹿たち。そんな暴れん坊の鹿をどうやって捕まえるのかというと…
鹿一頭に対して、20人くらいで囲い込んで捕まえます
正面から捕まえに行くのではなく、写真のような感じで旗をかざし、鹿をぐる〜っと走らせます。ちなみに、この鹿を捕らえる人を勢子(せこ)と呼びます。
時たま、鹿が旗の間をすり抜けコースアウトすることも…
鹿と人間の知恵比べのような感じです。
旗を持った勢子が鹿がぐる〜っと鹿苑を走るよう囲い、タイミングを見計らって縄を持った勢子が鹿の角めがけて縄を投げます。
えいやっ!
と勢子さんも縄を投げますが…
すばしっこく、また細い鹿の角めがけて投げるのは至難の業。何度もトライして、縄を角に引っ掛けます
引っ掛けたら、今度は木を何本も組み合わせてできたアンカーのようなものに縄をくくり、鹿を取り押さえます。ここで鹿は結構凶暴なので、取り押さえるのも一苦労…
鹿は春日大社のご神体。神聖なものであることから、取り押さえつつも、傷つけないように慎重に扱います。ここでも暴れたりするので要注意…笑
おさえたら、今度は5〜6人で鹿をござのうえへと運びます。写真右側にいる、烏帽子をかぶった人は角を切る春日大社の神職の方。
鹿に水を与え、緊張を和らげたあとにそろりそろりと切って行きます。
太鼓の音頭にあわせ、神職の方がのこぎりをいれると…
切れました!神職の方が高々と切った角を掲げると、観衆から大歓声が!
このあと、角を切られた鹿は鹿苑を出て、また奈良公園内へと戻ります。
一見凶暴そうに見えるこの鹿の角切り。
実は鹿自身を守るために行われる、とっても大切なものだったんですね。
ちなみに、現在奈良公園にいる鹿は600頭ほど。
観客の前で角を切られる鹿は50頭ほどなのだそうです。
残りの鹿は、角が生えているのを見つけ次第切っていくのだそう。
こんな地道な努力があってこそ、奈良の鹿と人々が共生できているんですね!
ちなみに、奈良市内にはこんな自動販売機が
買ったら飲み物が出てくるのではなく、鹿の愛護のために寄付されます。
缶の下部にある表示のように、「あたたかい」心で、奈良のシンボルである鹿の愛護のために寄付をしてあげてはいかがでしょうか?